【博士まで進学】大学での研究室の選び方【研究を頑張ってみたい方向け】

学部生の生活も後半になると、研究室に配属されるようになります。

研究に興味がある方にとって、研究室配属は就活並みに緊張するイベントだと思います。

だって、どの研究室に配属されたかで、自分の望む研究スタイルが実現するかどうか決まるし、やっぱりブラックな研究室には行きたくない。

私はもともと研究するということに興味があったので、研究室選びは他の人よりも気を遣いました。研究室選びを通して「研究室によって全然特色が異なるから、ちゃんと自分に合ったところを選んだ方が良い」ということを強く実感しました。

そこで今回は、研究に力を入れたい方は、どのようにして研究室を選んだら良いかについて書いていきます。

目次

研究室選びにおいて着目すべき点

「自分に合った研究室に入りたい」と思っても、じゃあ具体的にどういう研究室が良いのかまでは分からない方も多いと思います。

そこで、研究室を選ぶにあたり、どういう所に着目したら良いのかを、参考として挙げます。

研究分野

当然ですが、研究室によって研究する分野が決まっています。

研究分野が影響するのは、一つに「自分の興味を刺激するかどうか」ですね。研究分野に興味を持てなければ、実験するモチベーションが得られないので辛くなります。

しかし、現時点でそれほど研究分野に強いこだわりが無いなら、気にしなくても良いかもしれません。最初は興味なくても、いざ研究に取り組んで見ると面白さに気づくという場合もあります。

そういう方にとっては以下の視点の方が大事になります。

研究分野によって使われる実験方法が決まり、これが研究スタイルに大きく影響します。

研究室に篭って実験するのか、フィールドワークが多いのか。一つの実験にかかるのはどれくらいの時間なのか。実験の作業が自分の特性に向いた内容なのか・・・

研究分野に対する興味だけでなく、研究分野によって生活スタイルがどうなるのかも重要な視点だと思います。

研究室にいる人との相性

研究室は狭いコミュニティです。

講義も無くなって研究漬けの日々を送るようになると、いつも同じメンバーに会うことになります。

研究室にいる人たちとの価値観が自分と合うか(一緒にいて苦にならないか)は大事です。これによって研究室で過ごす楽しさが大きく変わります。

また、研究を進める場合における、指導教員(と実験指導をしてくれる先輩)との相性も大事です。

学生への指導としては、例えば以下のようなスタイルがあります。

研究室によっては、学生の自主性に任せて好きに実験をさせてくれます。自分の思うままにできて自由度が高いです。研究に行き詰まりやすく苦しい思いをすることもあります。この苦しさも研究の醍醐味ではありますが笑。

あるいは、自由度は低いものの、指導教員や先輩の用意した質の高い実験計画に沿って実験することで、研究とは何たるかを学ぶことも有意義です。

どちらが良い悪いというのは無いので、自分の価値観に合っているかで選べばいいと思います。

研究室に拘束される時間

いわゆるコアタイムがどうなっているかですね。

ルールとして、きっちり「何時から何時まで」と決まっている所もあれば「ちゃんと成果を出しているならいつ来てもいい」というところもあります。

あとは実験内容も拘束時間に影響を与えます。

生物系の実験だと、実験のペースは生き物に合わせる必要があります(生き物が成長する時間や季節的な影響など)。その分待ち時間が発生するので、ヒマな時期と忙しい時期が出ます。

一方で、(化学合成系など)いつでもできる実験では、忙しさを自分でコントロールできます。実験効率が良く研究が早く進む反面、ブラックになりがちな側面もあります。

また、外に出て研究するフィールドワーク系なら、しばらく家を空けることもあります。

研究資金

お金が無いと実験できません。

世の中やっぱりお金。

大学から支給される研究費だけでは足りないので、企業や団体に研究の価値をアピールして研究費を出してもらうことが欠かせません。これは指導教員や研究員、博士課程の方がやって下さります。本当にありがとうございます。

そして、研究費を出してもらえるのは、産業的に価値がある研究が多いように思います。

本来研究というのは、現時点で役立つかどうかは気にせず、人類の好奇心を満たすために取り組むべきと思っているのですが、残念なことに資本主義の社会で生きていくにはなかなか厳しい価値観です。

「自分は研究を通して何をしたいか?」を考えてみる

前項で様々な着目点を挙げましたが、どのような要因が研究室生活に影響を与えるのかイメージできたと思います。

ここで、自分の気持ちに改めて向き合ってみましょう。

この記事を読んでくださっている方は「研究に興味がある!」という方だと思います。

その気持ちをより満足させる研究室を選ぶにあたり、「研究を通して何をしたいか?」を考えてみます。

例えば以下が挙げられます。

  • 学会参加や論文投稿などといった実績をできるだけ早く作りたい
  • ある研究分野に興味があり、その分野に関わったことをやりたい
  • 研究というものに関わることで、自分のスキルを向上させたい
  • 自分が研究に向いているのか確かめ、もしダメなら違う進路も選べるようにしたい

前項の基準について改めて考えたとき、

「自分はスキル向上ができれば良いから、研究分野は何でも良くて、丁寧に教えてくれる教員や先輩がいる所がいいな」

とか

「早く実績が欲しいから、多少ブラックでも良いからバンバン実験できる所がいいぜ」

というように自分なりの判断基準が作れます。

基準を設定できれば、あとはその基準を満たしているかを、前項の「着目すべき点」において評価すれば良いだけです。

研究室との相性の確かめ方

自分の設定した判断基準に合致しているかを評価するために、どのようなアクションが取れるかをまとめました。

研究室訪問

得られる情報量が圧倒的に多いのが研究室訪問だと思います。

大学のカリキュラムの中に研究室訪問がイベントとしてある場合は、ぜひ有効活用しましょう。指導教員や学生と話をすることで、研究室の雰囲気がかなり分かると思います。

もしそういった機会が設けられていないなら、自分で行動するのもアリです。

指導教員にメールなどで連絡を取って、研究室を見学することもできます。

見学するなんて迷惑では?と思ってしまうかもしれませんが、研究にやる気のある指導教員は、見学希望するような意識の高い学生を喜んで歓迎します(もちろん連絡の取り方が丁寧であることが前提ですが)。だってそういう学生が来てくれた方が、今後の研究も捗るから。

指導教員が担当している講義を受ける

単位も取れて、指導教員との相性も分かって、一石二鳥な方法です。

大学の講義って大体は担当する教員が行っている研究についての話もするので、どんな研究をしているのかを知ることができます。

そして、教員には積極的に質問してみましょう。教員とやりとりすることで、教員が普段どんな感じで学生と接しているかがわかります。

質問について丁寧に教えてくれるなら、研究室でも丁寧に指導していると判断できるでしょう。

研究室のホームページを見る

好きなタイミングで情報収集ができます。

研究室での実績、指導教員の経歴、研究費をどれくらい稼いでいるか、ブログ的なことをしているか・・・

そんな情報を通して、研究室の雰囲気を知ることができそうです。

ただ、情報が古い場合もあるので注意が必要です。

研究室に所属する学生が毎年変わるので、それによって雰囲気がガラッと変わることもあります。

なのでホームページで感じた雰囲気と今の研究室の雰囲気が異なることもあります。

参考情報として得るには十分ホームページも効果的ですが、一番大事なのは、今の研究室がどうなっているかを自分の目で確かめることかなと私は思います。

まとめ

研究室を選ぶという一大イベントに関し、少しでも参考になるところがあれば嬉しいです。

一大イベントなんて大袈裟に書いてしまいましたが、たとえ研究室選びに失敗してもそれほど大きな問題ではないと私は思います。

選んだ研究室が気に入らなければ、大学院で研究室を変えることができます。

「もし気に入らなければ変えればいい」、そういう気楽な気持ちで研究室を選んでみてください。

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